イギリスがちょっと気になります

4月10日、EUはイギリスの離脱期日を10月末まで再延期しました。
そもそも、この問題は、イギリスをよく知らない私には、全く理解できません。カズオ・イシグロの帰化した国はどうしたんだろうと思っていました。ヨーロッパ統合は、ヨーロッパ人の夢だったんじゃないのか?
しかし、国民投票を行った時点で、俄然、興味が出ました。
2016年6月23日、投票結果は、52%が離脱賛成、たった4%の差だったが、その結果、なんと首相は辞任、反対派だったはずのメイさんが首相になって、民意だからといって、離脱を実現するために動き始めたら、何のことやら、議会が全くまとまらない。
問題の発端は、国民投票をしたことと、その結果の取り扱い方にあるのではないか。
そして、過半数を取ったら、メイさんがしたように、そうしなければならないと、思い込んだこと、ではないか。
すなわち、多数決原理の乱用である。
52対48は、52の勝ちではなく、ほぼ、半々であろう。どちらかが、どちらかを説得する必要がある。
しかし、現実に起こったことは、この数字だけを取り上げて、離脱に踏み切った、ということだろうか。
なぜだろう?
離脱派がこの数字を利用して一気に、というなら分かるが、メイさんは残留派だ。
現在では、考えを変えた国民がたくさんいるとも言われている。
政府の動きと国民の動きは逆だ。最悪の展開と言える。
こういう状況になった原因はいろいろ言われているが、とりあえず、本を二冊挙げてみよう。


①ブレグジット秘録 クレイグ・オリヴァー著


この人は、国民投票を行ったキャメロン政権の広報官で、EU残留キャンペーンの広報責任者だ。

2016年1月から、国民投票が行われた6月までの半年間、政府の現場では何があったか、具体的に描いている。

当然、残留派だ。

<目次>

プロローグ 

国民投票の夜 

1月 

2月 

3月 

4月 

5月 

6月 

国民投票後 

エピローグ それで、結局…?



②労働者階級の反乱 ブレイディみかこ著

イギリスはもともと階級社会であり、労働者階級というものが今も存在するという。

この本は、労働者階級に何が起こっているのか、という視点から捉えたものだ。

『ブレグジット秘録』とは全く異なる視点から書かれている。著者もイギリスに長年住んでおり、保母さんでもあるそうだ。

<目次>

 第I部 地べたから見たブレグジットの「その後」  

(1)ブレグジットとトランプ現象は本当に似ていたのか 

(2)いま人々は、国民投票の結果を後悔しているのか 

(3)労働者たちが離脱を選んだ動機と労働党の復活はつながっている 

 (4)排外主義を打破する政治 

 (5)ミクロレベルでの考察――離脱派家庭と残留派家庭はいま 

 第II部 労働者階級とはどんな人たちなのか 

 (1)40年後の『ハマータウンの野郎ども』 

 (2)「ニュー・マイノリティ」の背景と政治意識 

 第III部 英国労働者階級の100年――歴史の中に現在(いま)が見える 

(1)叛逆のはじまり(1910年―1939年) 

 (2)1945年のスピリット(1939年―1951年)  

(3)ワーキングクラス・ヒーローの時代(1951年―1969年) 

 (4)受難と解体の時代(1970年―1990年) 

 (5)ブロークン・ブリテンと大緊縮時代(1990年―2017年) 

 あとがき


とりあえず、とっかかりはこのあたりからか。

民主主義のあり方についての、避けて通れない一例とも言えるのでは?





















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