『イデオロギーと日本政治』 遠藤昌久、ウィリー・ジョウ著
評者:江口匡太氏(中央大学商学部教授) 東洋経済4月20日号
遠藤氏は、早稲田大学社会科学総合学術院准教授
ウィリー・ジョウ氏は、早稲田大学政治経済学術院准教授。
<目次>
序章 はじめに
第1章 有権者におけるイデオロギーの変化
第2章 世代で捻れるイデオロギー対立
第3章 イデオロギーと投票行動
第4章 イデオロギーと政治参加
第5章 イデオロギー・ラベルの比較
第6章 改革志向と保守・リベラルから見る政党対立
第7章 日本における極右支持
第8章 若者の保守化?
第9章 おわりに――比較の中の日本のイデオロギー
あとがき
保守と革新は昭和の話、今の状況には通じない、というお話。 そもそも政党って何かを代表していないと、社会的には意味がないと思うけれども、 それが分からなくなっているんじゃないかな。
②『人が自分をだます理由』
ケヴィン・シムラー、ロビン・ハンソン著
評者:黒須豊(スクウェイブ社長) 東洋経済4月20日号
自分をだます」、「自己欺瞞」と書かれているが、これは詐欺とか偽善の話ではない。 いわゆる成功イメージを持つ、とか、イメージトレーニング、とか、その類であろう。 「私はできる」、「大丈夫」など、何かを行うまえに自分に言い聞かせることは多い。 それを心理学的に考えた、ということか。
<目次>
第1部 なぜ動機を隠すのか(動物の行動 競争 規範 不正 自己欺瞞 ほか)
第2部 日常生活のなかの隠れた動機(ボディ・ランゲージ
笑い
会話
消費
芸術 ほか)
③掃除で心は磨けるのか 杉原里美著
評者:首藤淳哉 東洋経済4月20日号
行き過ぎは駄目、学校教育はバランスが大事。学校教育の政治的局面を朝日新聞記者が取材。
<目次>
第一章 心を磨く学校?
トイレ掃除で心を磨く / 広がる「無言清掃」 / 「スタンダード」の流行 / 子どもにも自己評価 / 肌着も禁止 / 不合理な校則にも従順な子供たち etc.
第二章 道徳の教科化
価値観の押し付け? / 教師の力量で差 / 結論ありきの道徳教科書 / 教育勅語を道徳へ / 教科書採択をめぐる攻防 etc. / 〔記者の視点〕「ファシズムの体験学習」に参加して
第三章 家庭と地域への介入
学生が学ぶ「親学」/ 家庭の教育力が低下? / TOSSの指導理念 / 宗教性を帯びた授業? / 全国に広がる「弁当の日」 / 行政任せで大丈夫? etc.
第四章 教科書を統制する
歴史教科書のアンケート / 大胆で大がかりな「採択運動」 / 保守系の首長らと「日本教育再生機構」 / 「歴史戦」へ注力 / 「従軍慰安婦」に触れた教科書への攻撃 / 資金面も後押しetc.
第五章 国のための子ども、経済のための子ども
家庭科で生き方誘導? / 敵視された「性交人形」 / 経済界のニーズに応える教育? / 疲弊する教育現場 / 教員は労働者ではない? / 家庭の教育力は低下していない / 声を上げはじめた親たち etc.
④知っておきたい入管法 増える外国人と共生できるか
浅川晃広著 東洋経済4月20日号
改正入管法が4月1日に施工された。
<目次>
第1章 外国人の定義
第2章 コンビニ外国人が増える理由
第3章 増え続ける外国人観光客
第4章 人手不足分野の仕事
第5章 国際結婚した外国人
第6章 既に移民大国の日本
第7章 強制送還
第8章 偽装難民・急増のカラクリ
第9章 日本人になる外国人
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