私は虐待していない 柳原三佳著

記事:サンデー毎日  


「乳幼児揺さぶられっ子症候群」、略称SBS。こんな名前なんだ。

「Shaken Baby Syndrome」

よくニュースで見かける、生後間もない赤ちゃんに対する児童虐待。

生後6か月以内の新生児・乳児の体が強く揺さぶられた場合に起きる内出血等の外傷のことをこう呼ぶそうだ。

毎年増えていく虐待件数。

実はその中には冤罪も多く含まれている可能性がある。

アメリカでは2001年以降、このSBS理論に基づいて刑事事件となった2000件のうち、約1割が無罪、あるいは判決の破棄、起訴の取り消しとなっているそうだ。

既に、SBS理論そのものに疑念のあるとの声もあるそうだ。

日本でも、2月に日弁連によるシンポジウムがあり、専門家からSBS理論に科学的根拠がない、等の発言があったそうだ。

要は、網膜出血や硬膜下血腫があっただけで虐待を疑われ、子どもを引きはがされてしまうというケースがあるということ。揺さぶったという証拠はない。しかし、SBS理論によれば、虐待が疑われる。

ただ、転倒しただけかもしれない。頭を打っただけかもしれない。通常の分娩でもこうしたことは起こり得る。しかし、SBS理論が盲信された場合、原因の多様性に目をつぶり、虐待が頭に浮かぶ、という構図があるそうだ。

著者によれば、2018年に、大阪で3件、静岡で1件、不起訴になり、また、起訴されても、2018年の3月から2019年の1月までに、大阪地裁で3件の無罪判決が出ている、とのこと。

不起訴になっても、子どもから引き離されているケースもあるという。

虐待を防がなければならないがために、行き過ぎの事例が多数出ている、ということであり、われわれは関心を持たなければならない。関心を持つことが、一つの防波堤になる。


<目次>

はじめに 

第1章 「虐待した親」というレッテルを貼られるまで  

第2章 「つかまり立ち」から転んでしまって 

第3章 日本における「揺さぶられっ子症候群」 

第4章 脳神経外科医たちからの反論 

第5章 海外の最新事情と「SBS検証プロジェクト」 

第6章 立ち上がった親たち 

最終章 「私は虐待していない」に耳を傾けて




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