安田浩一 著
改正入国管理法が4月に施行され、移民増大への関心が高まっている。
日本では、歴史的に団地が実験場所となっているそうだ。古くは満州でもそうだったとのこと。
本土の将来像が満州にあった。
その団地に外国人が増えて、治安が乱れ、町が汚れ、といったような文脈で語られるが、実際に団地を歩いてみると、確かに最初、ごみの捨て方が悪かったり、といったことがあっても、日本での生活に慣れてくるにしたがって、そうしたことも消えていき、定着してきているという。もちろん、治安も悪くなっていない。
団地に着目して、具体的な視点を得たことが、話を現実的にしている。
著者は、一貫して外国人問題を追ってきた。
耳を傾けたい。
<目次>
まえがき――団地は「世界」そのものだった
第一章 都会の限界集落――孤独死と闘う
第二章 コンクリートの箱――興亡をたどる
第三章 排外主義の最前線――ヘイトへ抵抗する
第四章 パリ、移民たちの郊外――レッテルを塗りつぶす
第五章 残留孤児の街――歴史の中に立つ
第六章 「日本人」の境界――差別と分断に屈しない
あとがき 団地は、移民のゲートウェイとなる
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